Bさん(女性)は外資系のホテルに勤務していて、ある年からアジアの某国への転勤が決まりました。
転勤先の国は通年を通して気温の高い熱帯雨林の国でした。
勤務先のホテルは都市部にありましたが、街の中心ではなく、少し離れた郊外にありました。会社側はBさんに住居を提供してくれました。ホテルの敷地の外れにある、コテージ式の小さなアネックスの部屋でした。
Bさんの部屋は2階だったので、いつも寝るときは蚊帳を吊り、窓を開け放って地元の人と同じようにして寝ていました。
ある日、Bさんは猛烈な頭痛を感じながらもやっとの思いで出勤しましたが、勤務先で倒れてしまいました。
ものすごい高熱がBさんを襲い、Bさんは速攻で近所の病院に連れ込まれました。
医師は「風邪のための発熱」と診断し、Bさんは薬を受け取り帰宅しました。ところが、毎日薬を正確に飲み続けたにも関わらず、Bさんの症状は治まらず、返ってひどくなっていったのです。
困り果てたBさんは大きな総合病院にかかり検査を受けてみました。
何とBさんの病気は蚊に刺されたことが原因でかかってしまったマラリヤ熱でした。
マラリヤは現代では予防接種などのお陰で発病する人は殆どいないのですが、発病してしまうとかなり見立ての良い医者でもなかなか病名を判別するのが難しい病気なのです。
日本の子供たちがインフルエンザや日本脳炎、はしかや水疱瘡などの予防接種を受けているように、現地の人々も同じように子供のころからマラリヤや破傷風などの風土病の予防接種を受けています。
「まさか自分がかかるわけがない」と無防備だったBさんはそれらの病気に対しての免疫が何もなかったのでした。
こういう類の伝染病にかかってしまう可能性のある国に在住することになったBさんは南国に在住を始めた時点で地元の人に子供のころからどんな予防接種を受けているのか、確認しておくことが必要だったのです。